1、 税理士とは?
私たちが生活を営んでいく中で、あちこちで「税金」が関わってきています。
そのうちのいくつかは納税者自らが計算し、申告し納税を行わなければならないことになっており、それらのしくみは法律で定められています。
ところが、一般の人たちにとって、やっかいなことに法律の条文はなかなかとっつきにくくて難しいものです。
税理士は専門家として「税金」に関する知識を持っていて、皆さんが正しく税を納めるために援助、助言をして皆さんのために役立つことが使命とされています
税理士は、税に関して充分な知識を持っていると国によって認められ、資格を与えられています。
だから税理士でない者が、税理士の仕事をすることはできないことになっています。
2、税理士は何をするのですか?
税理士は納税者から依頼されて、次のような仕事を行います。
① 税務代理
税務官公署に対して 個人や会社の確定申告、各種の申請、不服の申し立て、
過誤納税金の還付の請求などを行います。
また提出した税務書類に対しての調査が行われる場合には、その調査に立ち会
い、納税者の主張を代弁します。
② 税務書類の作成
所得税、法人税、消費税、相続税などの申告書、申請書、届出書など税務署県市町村に提出する書類を作成します。
③ 税務相談
個人や会社の決算、申告などに対して具体的なアドバイスを行います。
④ 付随業務
上記の業務を行うために、会計の指導、財務書類の作成、その他上記の業務に付随する諸々の業務を行います。
3、こんなときには税理士に相談してみましょう。
① 自分(もしくは親兄弟)が事業を起こしている方、もしくはこれから事業を起こしてみようと思っている方。
税理士は、様々な事業の会計処理をこなしていますので、自分が行っている事業にあった経理処理の仕方や事業で発生する幾多の書類の整理の仕方などの指導をしてもらえます。
また、事業が忙しすぎて記帳がなかなかできない方は、記帳代行といってあなたの代わりに記帳もしてくれます。もちろん、確定申告書類作成、税務指導もいたしますし、税務調査時における立会い等では税務署職員に代弁したりもします。
あなたの事業所で従業員(家族を含む)を雇っていらっしゃる場合、従業員の給料にかかる税金の計算や事務処理の方法、年末調整計算なども書類作成、提出等の指導、処理代行をいたします。
② 給与所得者でサイドビジネスのある方、けがや病気等で、医療機関に高額な支払い(概ね10万円超)をした方、2箇所以上の事業所で給料を頂いている方。
あなたのような場合、翌年の3月15日までに確定申告をしなければなりません。税金を納める場合もあれば、納めすぎた税金を返してもらえる場合もあります。当税理士会や税務署等でも確定申告の時期になると、無料相談を行っておりますが、例年訪れる申告者が多すぎて、自分の都合のいい期日に相談が受けられない場合が多いと思われます。確定申告の期間は2月16日から3月15日までの1月間だけで、さらに土曜日、日曜日はできません。ですから、自分の都合だけでは確定申告ができずに後で税務署に呼び出されて、余分な税金(加算税や延滞税等)を支払わされてしまうこともあります。そこで、この時期は土日返上、さらには時間延長で、業務をこなしている税理士も多いので、税理士に頼めば自分の仕事に都合を付けずに確定申告をすることも可能になってきます。
③ 土地や家屋を譲渡(交換)した方やこれからしようと思っている方。
いわゆる不動産の譲渡というのは税務上いろいろな特例があり、税金の計算も難しいものがあります。分からないまま申告をしてしまうと、余分に税金を納めてしまったりして後で後悔することにもなりかねません。税務法令に詳しい税理士なら、適切なアドバイスを受けることができます。特にこれから譲渡を計画している方は、有利な方法を選択することも可能になってきますので、税理士を利用する価値は大きいと思います。もちろん、税金の計算だけでなく申告書類の作成も手助けいたします。
④ 両親や祖父母、その他の方から現金や預金(住宅取得資金等)、株式などの有価証券を貰ったり、土地やゴルフ場会員権などの名義を書き換えてもらった方。
貰って得た財産には一定以上の額(年間110万円以上)ある場合、贈与税がかかります。現金預金などは数字ですぐに分かるのでよいでしょうが、その他のものは評価しなければならず、税金の計算も難しくなります。これもケースによっていろいろ変わってくるので、税理士に相談したほうが安心です。
⑤ 財産を持ってみえるご両親や配偶者が不幸にも亡くなった方や将来に不安を感じられる方。
財産を持ってみえる人が不幸にも亡くなりますと、相続が発生し、さらに一定以上の評価額がある場合、相続税を納付しなければなりません。この場合も土地等の評価や特例等の選択等難しい内容がたくさんありますので、税理士に相談されることをお勧めします。特にこれから相続が発生しそうな方や将来に不安のある方はあらかじめ相談しておくと、いざ相続が発生した場合にあわてることなく処置が施せますので、安心です。
⑥ 他にもいろいろ相談できます。
税理士は税金の計算や書類の作成が主な仕事ですが、税務というものがその他企業活動から日常の生活にも及んで関係してくるため、いろいろ多岐にわたります。いわば、経済の町医者といったところでしょうか。ただし、税理士にも得意分野と不得意分野がありますので、不得意分野について相談した場合はその事に詳しい方を紹介してもらいましょう。いろいろな分野にまたがって仕事をしている関係上、各方面のつながりも多くあります。